エアコンを取り付けたお部屋を見ると、まず目に入るのは室内機の位置や大きさです。その一方で、配管が壁を通る部分や屋外の取り回しは、普段の暮らしでは意識しにくい場所かもしれません。
今回は、当社の施工写真から、木目の勾配天井があるお部屋の1台をご紹介します。室内機まわり、取り付け途中の貫通部、外壁を縦に下ろす配管カバー、地上の室外機。それぞれの写真で見えるところを順番に見ていきましょう。
1.傾斜した天井と窓の間に納まる室内機
お部屋は、木目の天井が斜めに下がり、正面と右側の壁に窓があるつくりです。白い室内機は正面の窓の右側に設置されています。少し離れた写真では、天井の傾斜、窓枠、室内機の位置関係が分かります。
一般に、エアコンの設置場所は、本体の幅や高さだけで決めるものではありません。上部や左右に必要な空間、前面パネルを開ける動き、フィルターを取り外すための空間も関わります。必要な寸法は機種ごとの据付説明書で確認します。
勾配天井のお部屋では、壁の幅が同じでも、置く位置によって天井までの距離が変わります。図面で検討するときは、室内機を壁に描き込むだけでなく、天井と窓も一緒に確認しておくと、設置後の姿を想像しやすくなります。
2.本体で隠れる、背板と壁の貫通部
取り付け途中の写真では、室内機を支える金属製の背板と、その左側の貫通穴が見えます。穴の下にはシートが掛けられています。完成後の室内機の写真と見比べると、どの部分が本体の後ろに隠れるのかが分かります。
穴を近くから写した写真には、壁の断面が残されています。完成写真だけでは確認できない部分も、こうした途中の記録なら見返せます。
3.貫通部は、室内側と屋外側をあわせて見る
屋外側の写真では、貫通穴の内側に灰色の筒状部材が見えます。周囲の壁は、テープとシートで養生されています。
一般に、壁穴を区画する筒状部材をスリーブと呼びます。壁を通る配管まわりは、部材を入れることに加えて、建物の仕様に応じた隙間の処理や、室内外それぞれの仕上げを考える部分です。
写真は作業途中の状態です。ここからは、完成後には見えにくくなる貫通部の処理について、参考写真とあわせてご紹介します。
4.穴あけの処理(通気層×結露・カビ対策)
幾層にもなっている外壁では、エアコン工事で屋外側と室内側をパテ(粘土状の充填材)で埋めても、壁の構造や隙間の状態によっては、通気層の空気が壁内部やお部屋側へ入り込むことがあります。
温度や湿度などの条件が重なると、壁内部の結露やカビにつながるおそれがあります。見える部分だけでなく、壁内部の構造を踏まえた貫通部の処理が大切です。
※以下は、貫通部の処理や結露・カビについて説明するための参考写真・参考図です。今回のお部屋で結露やカビが発生したことを示すものではありません。
今回の穴あけ箇所は、新築専門エアコン職人オリジナル施工のウレタン仕上げです。
貫通部の隙間を処理し、気密性に配慮して施工しています。屋外側の防水処理も含め、建物の仕様に合った方法で仕上げることを大切にしています。
建材・構造に合った施工が必要です
発泡ウレタン処理は、建材・構造に合わせて適切に施工することが重要です。すべての住宅で同じ処理が適しているわけではありませんので、工事前に施工方法をご確認ください。
→ よくある質問:(13)発泡ウレタン処理は必ずやった方がいいですか?
→ よくある質問:(20)量販店でスリーブ無しと言われた…
5.室内機仕上がり写真
取り付け後の写真では、室内機の右側からコンセントにつながるコードと、天井・壁の角との位置関係が確認できます。勾配天井に合わせてしっかりと設定できております。
6.外壁に沿って縦に下ろした配管カバー
屋外では、壁の上部から下方へ白系の配管化粧カバーが続いています。化粧カバーは配管を覆う部材です。今回の写真では、上部の入口、途中の継ぎ目、縦に伸びる経路を確認できます。
室内機の位置を決めるときは、外側で配管がどこを通るかもあわせて考えておきたいところです。窓や建物の角、ほかの設備との位置関係によって、外から見える線の数や曲がり方が変わります。
このような縦に長い経路は、室内側の写真だけでは伝わりません。ご新築の打ち合わせでも、室内機の希望位置と室外機の置き場所を、一続きの経路として確認しておくことをおすすめします。
7.室外機は、接続部・足元・背面まで
接続部の工程写真では、室外機側のバルブと、そこにつながる配管が見えます。カバーを閉じた後には見えにくくなる箇所です。この写真は接続部の記録としてご覧ください。
室外機の全体写真では、左右の脚に置台が付き、その下にブロックが敷かれています。横から見た写真では、外壁と本体の間に配管が通り、側面の接続部へ曲がっていることが分かります。写真の中心と手前に写る1台が、今回ご紹介する室外機です。
室外機まわりは、空気の出入りに必要な空間と、点検の際に接続部へ手が届く空間の両方が大切です。必要な距離は機種や周囲の障害物によって異なるため、現地の条件と据付説明書を照らして確認します。写真上の隙間だけを見て、必要寸法を満たすかどうかは判断できません。
工事前に、完成した姿と途中の工程を確認する
今回の写真でご紹介したのは、室内機の位置、貫通部の途中工程、屋外の配管カバー、室外機まわりです。あわせて、参考写真を使って穴あけ箇所の処理についてもご紹介しました。完成時に見える部分と、本体やカバーで隠れる部分を一緒に見ると、エアコン工事の内容が具体的になります。
これから工事をご依頼される方は、「室内機の周囲に必要な空間」「貫通部の仕上げ方」「屋外の配管経路」「排水先」「点検や交換時の作業場所」を、事前の相談で確かめておくとよいでしょう。冷房・暖房の運転確認や排水の確認についても、仕上がり写真とあわせて説明を受けることが大切です。
エアコン・アンテナセット工事で、外壁の配管・配線まで美しく
勾配天井のお部屋に合わせた室内機の設置と同じように、屋外の配管・配線も住まいの印象を左右します。新築でアンテナの設置もお考えなら、エアコンとのセット工事がおすすめです。THSでは、エアコンの配管とアンテナの配線を一緒に計画し、外壁の色や建物の形に調和する美しい仕上がりを大切にしています。
写真は、別の現場で行ったエアコン・アンテナセット工事の参考例です。BSアンテナまわりの配線を整え、エアコンの配管カバーも外壁に沿ってすっきりと仕上げています。エアコンとアンテナの両方を自社で施工するTHSが、こうした細部の納まりまで丁寧に施工します。

