今回は、高所で配管を横に通す、難易度の高いエアコン工事をご紹介します。窓の上を横引きし、建物の角を回って側面へ下ろす配管を、お住まいの構造に合わせて施工しました。
外観や間取りにこだわったお住まいほど、エアコンの配管ルートや仕上げにも工夫が求められます。THSでは、見た目の美しさと、気密・断熱への配慮を大切に施工しています。今回の室外機には、夏の日差しを見据えた遮熱塗装も施しています。
1.高所での横引き配管は、超難工事
室内機から室外機まで、配管をまっすぐ下ろせる現場ばかりではありません。今回は、外壁の高い位置を横方向に通し、建物の角や窓まわりに合わせて配管を納める、非常に難しい工事でした。
高所での施工に加え、横引き部分や曲がり部分の納まりにも気を配る必要があります。お住まいの形に沿って配管ルートを組み、外壁に調和する化粧カバーで丁寧に仕上げました。
2.こだわりのあるお住まいに合わせて、配管も美しく
おしゃれなお住まいほど、窓の配置や外壁の形、建物の角などが配管の通し方に関わり、エアコン工事が難しくなることがあります。設備が付けばよいというだけでは、せっかくの外観を生かせません。
今回は、横引きと縦下ろしを建物の形に合わせて納め、配管カバーの色も外壁になじむように仕上げています。室外機につながる部分まで、配管の見え方と納まりを大切に施工しました。
配管カバーの先端は、部品選びまで丁寧に
エアコン工事は、配管カバーの先端に使う小さな部品にも違いが出ます。接続用の部品で済ませず、用途に合った端末部品を使用することが大切です。
端末部品の違い 比較写真エアコン配管の施工例
悪例接続部品を使用
接続部品だと
隙間が大きく
開きやすい
虫が入りやすくなる
安売り業者の工事で
見られる例
正しい工事口がしぼんでいる端末部品を使用
端末がしぼられていて
隙間ができにくい
虫の侵入対策になる
当社にて端末部品を交換した後の状態です。
接続部品で済ませる施工はコスト削減のために行われることがありますが、本来はNGです。
左は、安売り業者によるエアコン工事の例です。接続部品で端末を済ませているため、配管のまわりに大きな隙間が残っています。このような隙間は、配管カバー内に虫が入り込みやすい入口になります。
接続部品は、配管カバー同士をつなぐための部品です。室外機へ配管を取り出す先端には、右のように口元が絞られた端末部品を使い、配管の太さに合わせて丁寧に納めることが大切です。
部材費を抑えるために接続部品で済ませ、大きな隙間を残す施工はNGです。THSでは、見た目だけでなく、虫が入り込みにくい納まりにも配慮し、端末の部品選びからしっかりと仕上げています。
端末部品で納め直した、手直し前後の比較例
別の現場での手直し前後をご紹介します。左はジョイント(接続部材)で納めた状態、右は口元が絞られた端末部品で仕上げた状態です。配管の周囲まで丁寧に納めることが大切です。

部材を省かず、カバーの納まりまで丁寧に
端末部品が使われていない部分や、カバーのつなぎ目に隙間が生じている例です。適切な端末部品を使うことに加え、カバーの固定状態や接続部の納まりまで丁寧に仕上げることが大切です。
端末部品を使わないと起こる不具合
端末部品なし(カバー下部)
端末部品なし端末部品を使用しないと、カバーが下にずれやすい。
ヘッドカバーに隙間
ヘッドカバーに隙間経年でカバーが下にずれると、隙間が生じる。
端末部品がない施工は、カバーの下ずれや隙間発生の原因になります。
部材単体の形状も比べてみましょう。下の図は、左が口元の絞られた端末部材、右がストレート形状の接続部材です。接続部材はカバー同士をつなぐ用途で使用し、配管を取り出す先端には適切な端末部材を選びます。
端末部材と接続部材の違い
端末部材
推奨
開口部から見た形状

虫の侵入対策に有効
接続部材
本来NG(端末での使用)
開口部から見た形状

虫が入りやすい
ここでは、配管カバーの端末で使用する場合の違いを比較しています。
ハウスメーカー経由のエアコン工事でも、使用部材と工事費は要確認です
ハウスメーカーにエアコン工事を依頼しても、実際の施工を下請け業者が担当する場合があります。ハウスメーカー経由の工事でも、端末に適した部材が使われていないケースがあるため、注意が必要です。依頼先の名前だけで判断せず、実際に施工する業者や、配管カバーの端末に使う部材、仕上げ方まで、工事前に確認しておきましょう。
ハウスメーカー様や設計士さんであっても、エアコン工事の細かな施工方法まで精通している方は多くありません。当社が現場を確認する中でも、基本通りの施工がされていない例や、細かな部分で必要な工程・部材が省かれた、いわゆる「手抜き工事」が日常的に見受けられます。依頼先の名前だけで安心せず、エアコン工事そのものの施工内容まで確認することが大切です。
一見きれいに仕上がっていても、専門家の目で見ると、不適切な施工が見つかることがあります。部材の使い方や配管カバーの納まりなど、一般の方には気づきにくい箇所にも注意が必要です。見た目だけで判断せず、使用する部材や施工内容まで確認しておくことが大切です。
また、ハウスメーカー経由のエアコン工事は、専門業者へ直接依頼する場合と比べて、費用が割高になることもあります。金額だけでなく、使用する部材・施工範囲・保証内容までそろえて見積もりを比較し、価格に見合った工事内容かどうかを確認することが大切です。
3.構造に合わせた施工で、気密・断熱にも配慮
エアコン工事では、外壁を通る配管の周囲や、見えにくくなる部分の仕上げも大切です。THSでは、お住まいの構造に合わせて施工し、貫通部の気密性や断熱への配慮を含め、丁寧に工事を行っています。
今回も、建物の構造と外観に合わせ、気密・断熱を考慮して施工しました。完成後には見えにくくなる箇所こそ、しっかりと仕上げています。
住宅の性能に合わせた工事には、部材選びと手間が必要です
エアコン工事は、手間や部材を省こうと思えば、配管カバーの端末、配管の保護、壁の貫通部の処理など、さまざまな箇所で省けてしまいます。施工後に見えにくくなる部分もあるからこそ、工事の中身が大切です。
気密・断熱などの性能を大切にしたお住まいに合わせて施工するには、建物の構造や施工箇所に応じて、さまざまな種類の部材を適切に使い分ける必要があります。その分、必要な部材費や施工の手間もかかります。THSでは、小さな端末部品から見えにくい貫通部まで、必要な部材と工程を大切に、丁寧に施工しています。
室内側も、室内機だけでなく電源コードの納まりまで整えています。コードは留め具を使い、壁面に沿わせてすっきりと仕上げました。
室内機の設置を計画する際は、将来のエアコンクリーニングも考えておきたいポイントです。壁や天井に近づけすぎると、機種や設置状態によっては部品の取り外しや洗浄作業が難しくなることがあります。外観と使いやすさに加え、クリーニング時の作業スペースも踏まえた設置をご提案しています。
4.室外機には遮熱塗装|夏の日差しと猛暑への備え
猛暑時には、室外機のまわりの温度が高くなることで、冷房能力が落ちたり、機器を保護するために運転が止まったりすることがあります。特に直射日光や照り返しの影響を受ける場所では、室外機まわりの暑さへの配慮が大切です。
日差しがよく当たる場所に室外機を設置するなら、遮熱塗装もおすすめです。太陽光を反射して本体表面の温度上昇を抑え、夏の冷房効率を支えるための備えとしてご提案しています。今回も、遮熱塗装を施した室外機を設置しました。
3度塗りで仕上げるため、納期は1週間〜10日
THSの遮熱塗装は、下塗り1回・本塗り2回の計3度塗りで丁寧に仕上げています。塗装と乾燥の時間を確保するため、納期は1週間〜10日ほどいただいております。ご希望の設置日に合わせられるよう、お早めにご相談ください。
初期費用はかかりますが、日当たりや使用状況によっては電気代の節約も期待できるため、毎年のご使用を見据えて長い目で検討したい選択肢です。省エネ効果や費用の回収期間は、機種・設置環境・使用時間によって異なります。
遮熱塗装とあわせて、室外機の吸い込み口・吹き出し口の風通しを確保することも大切です。塗装だけで運転停止を必ず防げるわけではないため、設置環境も含めてご提案しています。
5.穴あけ後の処理(通気層×結露・カビ対策)
幾層にもなっている外壁では、エアコン工事で屋外側と室内側をパテ(粘土状の充填材)で埋めても、壁の構造や隙間の状態によっては、通気層の空気が壁内部やお部屋側へ入り込むことがあります。
温度や湿度などの条件が重なると、壁内部の結露やカビにつながるおそれがあります。見える部分だけでなく、壁内部の構造を踏まえた貫通部の処理が大切です。
「ZEH・省エネ住宅対応」という言葉だけで判断しないことが大切です
穴あけ後のウレタン処理は、施工方法まで確認してほしい部分です。一見すると「隙間を埋めてあるから大丈夫」と思われるかもしれませんが、専門家の目で見ると、処理の仕方に問題が見つかることがあります。本体や配管カバーが付いた後には見えにくくなるため、注意が必要です。
THSにご相談いただく現場では、穴あけ後の不適切なウレタン処理が見つかるケースが少なくありません。「ZEH・省エネ住宅対応のエアコン工事」と案内されていた工事でも、実際の処理に問題がある場合があります。お客様が工事の良し悪しを判断しにくい、厄介な問題です。
THSでは、こうした施工トラブルのご相談が年々増えています。工事を依頼する際は、「対応しています」という言葉だけでなく、貫通部をどのように処理するのか、使用する材料と施工方法まで確認しておきましょう。
ウレタンを使うこと自体が悪いわけではありません。大切なのは、建物の構造に合った材料と方法で、気密・断熱・防水に配慮して仕上げることです。THSでは、完成後には隠れてしまう部分にも手をかけ、お住まいの性能を大切に施工しています。
不適切なウレタン処理の実例
以下は、今回の高所横引き工事とは別の現場の写真です。貫通部まわりの処理の大切さをお伝えするため、不適切な処理例をご紹介します。


※以下は、THSの貫通部の処理や結露・カビ対策を説明する参考写真・参考図です。
壁の中には、蜘蛛などの虫が潜んでいることがあります。配管を通す穴や隙間の処理が適切でないと、そこが通り道となり、虫が室内へ入り込むことがあります。だからこそ、建物の構造に合わせて、貫通部を適切に処理することが大切です。
新築専門エアコン職人では、貫通部の気密性に配慮したオリジナル施工のウレタン仕上げをご案内しています。
貫通部の隙間を処理し、気密性に配慮して施工しています。屋外側の防水処理も含め、建物の仕様に合った方法で仕上げることを大切にしています。
建材・構造に合った施工が必要です
発泡ウレタン処理は、建材・構造に合わせて適切に施工することが重要です。すべての住宅で同じ処理が適しているわけではありませんので、工事前に施工方法をご確認ください。
→ よくある質問:(13)発泡ウレタン処理は必ずやった方がいいですか?
→ よくある質問:(20)量販店でスリーブ無しと言われた…
新築は一軒ごとに条件が異なる
同じように見える新築住宅でも、立地・間取り・設備・周辺環境に加え、構造や建材もそれぞれ異なります。
「これだけすればOK」ではなく、お住まいに合わせて気密・断熱に配慮した施工が必要です。
構造や建材も確認して、適切な施工方法と使用部材を判断します。
だからこそ、現地調査(現調)が重要です。
- 外観
- 配管経路
- 周辺状況
- 設置条件
- 構造・建材
図面と現地の状況を照らし合わせ、構造・建材・下地を確認したうえで、施工方法と使用部材を検討します。
外壁材や下地の材質・厚みを確認し、施工条件に合った部材を選定・使用します。
下見から工事まで、時間と手間をかける理由
通常は下見にお伺いし、詳しく現場を調査したうえでエアコン工事を行うのが基本です。
マッチングアプリなどによる格安工事が広がる中、価格を抑えるために下見を省くサービスもあります。しかし、新築のエアコン工事を同じように考えることはできません。「下見なしでも大丈夫!」と案内されていても、図面だけでは分からない条件があります。現地を見て確かめたうえで、お住まいに合うエアコンの機種や設置場所を選ぶことが大切です。
下見なしのぶっつけ本番で穴を開ける工事は、いわば精密検査をせずにいきなり手術をするようなものです。大切なお住まいに穴を開けるからこそ、事前に現地を調査し、建物の構造や施工条件を確認してから進める必要があります。
エアコンの寸法やデザインは、毎年のモデルチェンジで変わることもあります。お隣との位置関係や敷地の条件、作業スペースの有無によっても工事内容が変わります。また、外壁の種類によって使う機材や部材も異なるため、図面と現地を照らし合わせた確認が必要です。
手軽さやスピードが求められる時代でも、しっかりとした工事には時間と労力がかかります。料理も、下ごしらえから手間暇をかけることでおいしく仕上がるように、エアコン工事も、施工前の準備と確認から丁寧に進めることが大切です。
図面でのご相談、下見や工事のために現地まで往復する時間、現地調査、その後のメール対応、そして工事当日の作業。一つの工事には、こうした時間が積み重なっています。これらに必要な時間と労力を考慮すると、弊社が大切にする工程を省かずに、格安で工事をお引き受けすることはできません。
「エアコンが付けば良い」という工事ではなく、建物の気密・断熱の欠損を抑え、外観にも配慮した高品質なエアコン工事をご検討の方は、ぜひTHSへご相談・ご依頼いただけますと幸いです。
6.アンテナ工事もお考えの方へ。エアコンとのセット工事がおすすめです
新築でアンテナの設置もご検討中なら、THSのエアコン・アンテナセット工事もぜひご相談ください。どちらも自社で施工し、ご相談や工事の窓口をまとめられます。それぞれの設備に合う施工を行い、外壁の配管・配線まで丁寧に仕上げています。
エアコン・アンテナセット工事の施工例
THSが手がけた、別の現場でのセット工事をご紹介します。エアコンとアンテナをどちらも自社で施工し、設備本体だけでなく、配管・配線の仕上がりまで大切にしています。
施工例①|デザインアンテナとエアコン室外機
外壁の色に合わせたデザインアンテナを設置し、ベランダにはエアコン室外機を納めています。お住まいの外観に調和する仕上がりも、THSが大切にしているポイントです。
施工例②|BSアンテナと配管化粧カバー
アンテナのケーブルは外壁に沿わせ、エアコンの配管は化粧カバーで丁寧に仕上げています。セット工事では、それぞれの設備に合う施工を行いながら、配管・配線まで美しく納めます。
エアコン・アンテナセット工事の詳しいご案内 / アンテナ工事もお考えの方はこちら
難しい配管ルートも、お住まいに合う方法で丁寧に。 新築のエアコン工事は、高所の横引きから貫通部の処理、室外機の暑さ対策まで、THSへご相談ください。